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(生活に役立つ情報満載)鍼灸通信

ストレッチングについて③

「ストレッチング」を最初に提唱した人は、ボブ・アンダーソンと言います。
それまで反動をつけて行われてきた柔軟体操の危険性を唱え、「ストレッチング」という概念を提唱され、1975年の本の販売をきっかけに広まったということですから、そんなに大昔のことではありませんね。
むしろ、短期間に広まり、これだけ世界的に定着していることの方が驚きです。
一口に「ストレッチング」と言いましても種類があり、

①目的とする筋をゆっくり伸ばしていく「スタティックストレッチング」、
②反動をつけて強制的に筋を伸ばす方法でスポーツ競技での筋肉の可動性を高める「バリスティックストレッチング」
③ストレッチをさせたい筋の拮抗筋を収縮させ、目的とする筋に反射的にストレッチさせ、
 柔軟性を高める「ダイナミックストレッチング」

・・・といった所です。
さらに自分一人で行う「セルフストレッチング」、相手にストレッチをかける「パートナーストレッチング」という分類の仕方もあります。
効果的にストレッチをかけるためには、ストレッチをかける各筋肉の機能や働き、筋肉のついている部分、起始部(筋肉の始まりの部分)・停止部(筋肉の終わりの部分)を知り、その2点をゆっくりと遠ざけるように行います。
ですので、医療系の学校に通っている方は学校の授業でそれらを学んでいる分、修得するのに非常に有利であると言えます。
また、ストレッチングの中にはリハビリテーションの要素を含んだものもありますので、ケガや障害からの回復のための治療として役立てることもできるのです。
近年、スポーツトレーナーを目指す方が増えていますが、正しい知識に基づいたストレッチングの知識は、必須と言えます。
スポーツ競技能力の向上のため、自分の健康のため、姿勢改善、リラックス・・・と取り組む理由は色々あると思いますが、子供からお年寄りまで自宅でも手軽にできるストレッチ、少し工夫するだけでも楽しいですよ。
きちんと学ぶと、きっとその奥深さに驚かれると思います。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  横山 博史

ストレッチングについて②

私は「日本ストレッチング協会」という団体でストレッチを教えていただきました。
その団体では、通常形だけ行われているストレッチとは全く違い、ストレッチの意味や原則、方法からリスク管理、進め方、コミュニケーションの方法から各動作のバリエーションに至るまで、幅広い知識と技術が教授されています。
この文章は、そこの講座で学んだものであることをお断りしておきます。

「ストレッチ」とは、あるものを伸ばすことを指し、「ストレッチング」とは、スポーツの現場において筋や腱などを伸ばすことで身体の柔軟性を高め、それにより得られる様々な反応を得るための行為を意味します。
正しくストレッチングを行うことで、軟部組織(筋肉、脂肪など)の柔軟性の維持・向上、ケガの予防、疲労の早い回復以外にも、痛みをやわらげたり、リラックス効果などもある他、スポーツ選手にとっては動きの質の向上など、様々な効果をもたらします。
反対に、むやみに形だけ行うことは効果が出ないばかりか、ストレッチをかけたときの痛みのコントロール(リスク管理)をするという意識がないとかえって身体を痛めるなど、逆効果にもなりかねません。
それにストレッチを行うときは、「代償運動」という柔軟性の低さを補うための逃げ動作が出ることがあります。それを許してしまうと、時間をかけてストレッチを行ってもほとんど効果のない動作になります。
だからこそ、ストレッチングは意義や意味を知り、正しく目的にそって行う必要があるのです。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  横山 博史

ストレッチングについて①

「ストレッチ」という言葉を聞いて、何のことかわからない・・・・という方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
中学・高校で運動部に所属していた方以外でもおそらくほとんどの方がやった経験があるでしょうし、現在もスポーツに親しんでいる方は、練習前に実行されていると思います。
では、正しくストレッチを行っている方はどのくらいいるのでしょう?
先日ある高校の運動部の顧問をつとめている先生とお話をしましたが、所属部員の皆さん、その先生がいる時はまじめにストレッチから練習をきちんとやるようですが、いない時はほとんどやっていないようだとのことでした。その上、先生から見ても形だけのストレッチになっているそうです。
引き換え、私が見てきた限りでは、高校生アスリートでも全国レベルの選手はきちんと練習前のストレッチを含むウォームアップから競技の練習、練習後のクールダウンまで、何一つ手を抜くことなく取り組んでいました。
この差は何でしょうか?
おそらく全国レベルの選手は、練習の意味、意義の一つ一つを理解し、一貫してきちんと取り組んでおり、その物事に取り組む姿勢が競技の成績に結びついているのでしょう。
もう一方の高校生の皆さんは、おそらくストレッチ(他の練習メニューも)の意味、そして大切さを理解されていないのだと思います。その準備に取り組む姿勢が、競技結果に反映している面は否めません。一事が万事とは言いすぎでしょうか。
では正しくストレッチを行う意義とは何なのでしょう?

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  横山 博史

倫理教育と鍼灸②

医療倫理の授業というと、「ヒポクラテスの誓い」や患者の権利に関する事を学習する授業が見受けられる。しかし、そのような授業だけで医療倫理が学生に理解されるのであろうか?前々から疑問に思っていた所である。
私は医療倫理の根本の所は、「命の大切さ」と「責任感」ではないかと考える。人の体を預かる、人の命を預かるのが医療であるから、その「命」の大切さを実感してもらえる授業内容にしたいと考える。出来ることならば、学生全員を医療現場に入れて実体験をしてもらうのが最高の方法であるとは思うが、現実的には中々難しい問題がたくさんある。
そこで、医療現場で行われている事を映像で見て貰ったり、実際に臨床の現場にある柔整師の先生が書いた「脳死」の文書を見ることによって、「命の大切さ」を実感して貰えるような教材を取り扱っていきたいと考えている。
医療現場の人たちが必死に取り組み悩み苦しんでいる様子を見たり、苦しい決断をして行っている事を見て行くことで、命を扱う責任感を感じて貰いたい。また、被害に有った患者さんや亡くなった患者さんの苦しみや悲しみを見て、命の大切さを感じてもらえればと考える。

 倫理観を身につける場面が少なく成ってきた現代では、鍼灸教育の中で倫理教育がより一層重要性を増してくるのではないかと考える
近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  田渕 悦次

倫理教育と鍼灸①

 どんな仕事にも倫理観が必要なものである。法律に触れるか触れないかだけを基準にするのではなく、その職業集団にとっての独特の倫理観が存在するものである。特に、鍼灸治療というのは、人の体・命を扱う仕事であるのでより一層高い倫理観が必要なものだと私は考える。
 治療所の院長先生と話をしていると、新しく勉強している学生の倫理観が低下していることが嘆かれる事が多くある。先日話をした先生からは、「あまり熱心に取り組んでいないので、しっかり治療の技術を身につけるように言った。そうすると、お金を貰えるので来ているだけで、技術を上げるために来ているのではないと言われて、即刻首にした!」という話を聞いた。
 私が資格を取りに行ったのは、20年前に成るが、その頃はまだ徒弟制度の様なものが生きていた業界で有った。良い面も悪い面もあったとは思うが、師匠や先輩の先生方の治療する後姿を見て、治療家としての姿勢や倫理観も受け継がれて行っていたのではないかと考える。

 倫理観を身につける場面が少なく成ってきた現代では、鍼灸教育の中で倫理教育がより一層重要性を増してくるのではないかと考える
近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  田渕 悦次

治未病について②

治未病1で東洋医学的な病気観に少しふれましたが、ここでは「東洋医学の条理がわかっとらん」という多少のお叱りも覚悟の上で、「治未病」に対するまことに勝手な考え方を述べさせていただきます。

 

□スタイルが悪いからやせたい

□小顔になりたい

□若く見られたい

□髪の毛が最近薄くなってきた

□精力が弱ってきた

□彼氏ができない

 

などなど、こんな悩みはだれしもが持っていて、これに異常だとか正常だとかと基準値というのはなかなか設定しにくいですよね。
でも本人はとっても悩んでいて・・・
こういう悩みも「未だ病ならざるもの(未病)」のひとつだと考えられないでしょうか。
病とはいえないけれども、「満足のいく状態ではないもの」・「悩み」はストレスを引起します。ストレスは東洋医学でいう「気の停滞」に結びつきます。
でも、病院にいくほどでもないけど、自分では悩んでいる「未病」をどうしたらいいの・・・
そんな時、鍼灸治療というのはとてもお役に立ちます。悩みを持ったその人自身の体質やその時の状態(東洋医学では「証:しょう」といいます)に合わせて鍼やお灸をしていくことで、悩みごとそのものと悩む心を治療することができるのです。
「美容鍼灸」で美しくなるのも、「治未病」のひとつと考えられるのです。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  水上 留美

治未病について①

最近テレビのコマーシャルでもよく「未病」という言葉を聞きますが、東洋医学では、病気ではないけれど健康でもないことを、未病といいます。
近年、予防医学の関心のたかまりから「未病」に注目が集まっていますが、


□なんとなくだるい・からだが重い
□調子が悪く、なんとなくやる気が起こらない。
□前の日の疲れがとれず、寝起きが悪い
□慢性的に疲労感がある
□顔色がすぐれず、つやがない
□カゼを引きやすい


など、このまま放置しておくと、病に結びつく未病との状態とし、聖人は未病を治し聖人は已病を治さずして未病を治す(道理に明るい人は、病気になってしまってから治療方法を講ずるのではなくして、まだ病にならないうちに予防する)と古典では著わしています。

本格的な病気の症状が出る前には、必ずからだから何らかのサインが出ます。
「忙しいから・・・」「これくらい我慢すれば・・・」ではなく、ひどくなる前に手を打つことが大切です。
「疲れているのかな」と思ったら、自分自身のからだや心の声に耳を傾けてあげましょう。
「最近なんとなく調子が悪いけど気のせいかな?」、この「気のせいかな?」というサインは、東洋医学でいう「気」の流れのひずみにもう自分自身が気づいているということ。病気以前のサインを見逃してからだのケアを怠ると、本格的な病気につながってしまいます。

このサインは、必ず脈やツボの反応としてでてきます。そんなことをきちんとキャッチして治療してくれる鍼灸師をかかりつけとして持ってみませんか。
少なくとも季節の変わり目などに、体調の変化やからだのゆがみ、クセなどをアドバイスしてもらい、からだや心のケアに役立ててみましょう。
私たち人間も自然界の一部、天の気(空気)と地気(食べ物)をいただいて、天と地の間で生活しています。
暦には、二十四節気といい、太陰暦を使用していた時代に、季節を現すための工夫として考え出されたものがあります。1年を24等分にし、その区切りに名前をつけたもので、現在でも季節の節目節目に、これを示す言葉として使われています。この季節の節目は自然界の気に変化とともに人間の気の変化しやすいもの、健康だと思われるときにでも2週間に1回位のタイミングで自分のからだと心をメンテナンスしておくと、「しんどいな・・・」ということを病気にまでしなくてすみますよ。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  水上 留美

鍼灸と漢方とカゼ②

前回の続き、では具体的に鍼灸と漢方とカゼ
カゼのひき始めは背中がゾクっとします。この時点での鍼灸治療は足の「衝陽」というツボに針をすれば良くなります。漢方薬では桂枝湯というものを選びます。
また、背中に手ぬぐいを入れたり、食事は体が温まる消化の良い食べ物にします。
この対処を失敗するとカゼは次に段階に進みます。
次は、背中のゾクゾクに頭痛が加わります。
この時点でも、漢方薬は桂枝湯ですが、鍼灸治療では後頭部になる「風池」「風府」というツボを使います。
この対処に失敗するとカゼはまた次の段階に進みます。
次は、背中のゾクゾクと頭痛に筋肉の痛みが入ってきます。
この時点での漢方薬は麻黄湯です。(ここ1、2年のインフルエンザに効果があった漢方ね。今年も効果がある事を期待します。)
鍼灸治療は「風池」「風府」にプラスして、足の「申脈」「足臨泣」手の「後谿」「外関」といったツボを症状に合わせて使います。
ここまで来るとピンとくる方がいるかな?
症状は進んでいるのに同じ漢方薬やツボや使をじゃねーか!なぜだ!ってね。
ここからが、面白いところ
同じ漢方やツボの名前ですが、違うんです。
何が違うっていうと
漢方薬なら配合する漢方のバランスと出す量! ツボなら針を刺す深さ!
ツボでも針を刺す深さで効く内容が違うんです。おもしろいでしょ?
ちなみに、薬局で売っている漢方薬は袋づめになっているのでバランスや量を変えられませんが、しっかりした漢方薬局で処方してもらえば、その人に合ったかたちで調合してくれていますよ。
こんな内容に面白さを覚えたら、是非本校へ。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  平口 昌幹

鍼灸と漢方とカゼ①

鍼灸治療というと肩凝り腰痛を考えがちですが、カゼにも効果があります。
カゼの漢方薬で有名な、葛根湯。
漢方薬がカゼに効くなら、当然鍼灸もカゼに効くでしょうってな理屈です。
逆に言うと、肩凝り腰痛の漢方薬もあるんです。
要するに、
漢方薬で効果があると考えられている疾患には鍼灸治療も同じ様に効果があるんです。
しかし、そんな理屈を言われてもピンとこない方が大半でしょうか?
それを理解しようとすると本校で東洋医学の勉強をする事になりますよ。
簡単に言うと、
漢方治療も鍼灸治療も、土台になる基礎の考え方が同じなんです。
基礎が同じなんですから、後はどんな道具を使って治療するかだけの違いなんです。
もう少し簡単に言うと、
料理の基礎を学んだ後、「中華料理でお客さんを満足させるわ」、「和食で満足してもらおう」ってな感じです。
とはいっても、それぞれの道の中での勉強というのが当然ありますが・・・・。
う~ん、この例えではよけいにわかりにくかったりして・・・。

近畿医療専門学校 鍼灸学科教員  平口 昌幹